富山の出版社 本づくりなら 桂書房

富山の小さな出版社「桂書房」。富山での自費出版、本づくりならお任せください。

勝山敏一による随筆集です。桂通信図書目録の冒頭に収録されています。

No.26 人の不幸に負う職について

テレビで特集 「中坊公平弁護士」 を見た。 今は住専処理会社社長も兼務。 感動的だった。 番組中、 中坊さんの次のような発言に私は瞠目させられた。 豊島の廃棄物処理をめぐって争った香川県側に多数の弁護士がついたことに触れ…

No.25 零細出版社を続けられる理由

小社は、 と言ってはいけないか。 編集部では私だけかもしれないが、 「記憶」 というものにこだわっている。 『村の記憶』 に続いて 『猟の記憶』 を発刊した。 ある猟師がフッと言う。 「クマを獲ったら、 腹を裂き、 顔を…

No.24 ヒョッとすると、 ヒョッとする?

ものすごく売れた、 と言ったら小社では 『納棺夫日記』 の2万部である。 それが文藝春秋社に請われて7月に文庫になった。 小社の本の文庫化は 『長い道』 に次いで二度目だ。 今回は文庫化の後も少しずつ売れていく。 何より…

No.23 私は、 「私」 のために言うしかない…

富山県立図書館のカウンター付近に掲げられていた 「図書館の自由宣言」 板が、 いつの間にか外されていた。 三カ条で 「すべての検閲に反対する」 という項も記されていた。 昨年10月頃から同図書館は、 未曾有の事態を起こし…

No.22 伝達こそ知そのもの……

9時間半という超長編映画 『ショアー』 を友人たちと自主上映して観た。 生き残りのユダヤ人、 ナチスのSS隊員や行政官たち、 そして傍観者だったポーランドの農民たち―大きく分けて三者の証言を紬のように織り重ねて、 500…