富山の出版社 本づくりなら 桂書房

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勝山敏一による随筆集です。桂通信図書目録の冒頭に収録されています。

No.31 かけがえのないものを失って

小社の 『記憶』 シリーズは7冊となった。 『村の記憶』 を出す時に《廃村》という語では村の人々を悲しませてしまうというので《記憶》という語を使用したのが切っ掛けだが、 元住人の方々からご注文をいただきながら思ったことが…

No.29 大統領の頭にズベをこしらへる

「ルーズベルトの頭に爆弾を落として大きなズベをこしらへます」 新刊 『ヒロシ君と戦争』 はアジア・太平洋戦争の真っ最中、 1942年から48年まで書かれた絵日記に注釈を付した総集編。 冒頭の文は昭和19年、 少年7歳の時…

No.28 「ウマーゼン、 ウマーゴ」 の楽しみ

新刊の 『北前の記憶』 は港の古老たちの聞き書きだが、 中にこんな話が出てくる。 「家の爺さんな弘化四年の生まれ。 寺子屋行ったがだと。 新聞でも《マーゼン、 マーゴ》いうて読んどんが。《さ、 何いうて読んどんがい》見る…

No.27 真っすぐな視線の力

正座を長く続けられなくなった。 大切な儀式の途中、 誰もが正座を続けているのに私だけがゴソゴソと胡座になる。 突然死された新田二郎氏の通夜の席。 氏は 『幕末維新期の青春像』 の著者の一人。 亡くなる前日に出来たてのその…