富山の出版社 本づくりなら 桂書房

富山の小さな出版社「桂書房」。富山での自費出版、本づくりならお任せください。

勝山敏一による随筆集です。桂通信図書目録の冒頭に収録されています。

No.46 「今夜は男の一揆が起こる」

大正七年(一九一八)八月七日の高岡新報は、富山県水橋町で起きた女一揆を受け、隣の滑川町でも昨夕八時ごろ「老若男女」二千名の大集団が米屋の前に集結し「生活難を絶叫」したと伝えた。全国に米騒動の起きるきっかけになったといわれ…

No.44 希望は、 ことば

「希望は、 戦争。」 は31歳フリーターという青年が 『論座』 に投稿したエッセイの副題。 卒業時が就職氷河期で入りたい会社に入れなかった世代だが、 政策にも見捨てられてフリーターのままだ、 希望を持てない社会がこのまま…

No.43 天然ウドにはアクがある

気晴らしに事務所を出て、 近くの広場 (縄文遺跡) へ向かった。 真っ青に晴れ渡った空に、 刷いたように絹雲が走っている。 広場の草原では少年と若い父親が二人野球に興じていた。 一人が投げ、 一人がバットを振る。 当たれ…

No.42 恥じらいのある知はどこへ

新刊 『孤村のともし火』 は65年も前の1941年、 飛騨山中の村々を診療に廻った医師の探訪記。 草刈りから帰ったばかりの老爺が二年ぶりに会った医師に向かって 「おお、 よく来られた。 あなたさまにまた会えてありがたい。…