「この世で大切なのは、 言葉なんかじゃないその言葉を言わせるものよ」 その人は叫ぶように言った。 若い頃だった。 発せられた言葉の一つ一つにもがき苦しんでいた私の眼からウロコが落ちた。 でも難しいんだな。 言葉の向こうに…
がらんとして何もない小さなアパートの一室に入ったのが1983年1月5日。 仲間どころか、 家族にさえ隠れての出発だった。 最初の原稿だけは既に印刷所に入れていたが、 これから始まる出版のことを誰かと猛烈に語り合いたかった…
● 「メディアに描かれる女性像」 を発刊した。 様々な反響の中で、 私を脅えさせたのは 「あなたの家庭では女性差別はないのか」 という質問であった。 そう言われると本当に困ってしまう。 私は妻にこの本を見せられないのだ。…
◎私は忘れないだろう、 人を殺し合う湾岸戦争でさえ、 人々の意見は賛否両論だったことを。 なぜか、 あらゆる事柄に賛否がある。 小社も色々なことに賛否を問われる。 最近では本の 「あとがき」 で著者の方が編集者の名前を出…
●6月には新事務所に入り、9月には新人 (といっても小生と同世代) に入社してもらった。 彼女はパート勤務で、 とりあえず 『女たちの昭和』 の編集にかかっている。 NHKラジオで取り上げられた中部7県の女性たち30数名…