富山の出版社 本づくりなら 桂書房

富山の小さな出版社「桂書房」。富山での自費出版、本づくりならお任せください。

小矢部川上流域の人々と暮らし

小矢部川上流域の人々と暮らし表紙

かつての山村や農村での自給自足の生活や人と自然の共生、先人から受け継がれてきた民俗や習俗は、未来の日本に必要な知識である。

本書は、著者が小矢部川上流域の「刀利」と「立野脇」の各村を対象として二十余年にわたる現地調査の集大成。両村に住む人々から聞き取った昭和三十年代を中心とした、信仰、植物利用、民具、生活誌、食生活、年中行事など様々な村の暮らしを記録する。

著 者:
加藤享子
定 価:
¥3600(税込:¥3960)
発行日:
2024.10.31
ISBN:
978-4-86627-157-6
判 型:
B5変判
頁 数:
452 頁
この書籍に関するお問い合わせ

お問い合わせ・ご意見・ご感想は専用フォームよりお送りください。

目次

『小矢部川上流域の人々と暮らし』刊行を祝って  富山民俗の会代表  森 俊

はじめに

序章 刀利と立野脇
 Ⅰ 刀利と立野脇
 Ⅱ 刀利谷の生活
 Ⅲ 刀利村廃村と、その後

一章 信仰に生きる人々と墓
 I 明 治十五年、刀利村から御本山再建への献木
 Ⅱ 盆の墓掃除と白石拾い ―消滅していく習俗の意味とは―
 Ⅲ 東 本願寺砺波詰所の成立と、初代主人北村長助について
 Ⅳ 越中(富山県)の御影巡回 ―下新川地方を中心として―
 Ⅴ 刀利村 下小屋の信仰生活
 Ⅵ 刀利村の祭り
 Ⅶ 刀利小村の社名と御神体
 Ⅷ 天神村 太兵衛家の歴史
 Ⅸ 天神社と天神村
 Ⅹ 天神村の御消息
 Ⅺ 明治時代、山本村から御本山へ毛綱の寄進
 Ⅻ 報恩講

二章 植物の利用
 Ⅰ 昭和三十年代、山村の栗利用 ―富山県小矢部川上流域の場合―
 Ⅱ 小矢部川上流地域の麻栽培と加工 ―福光町立野脇の場合―
 Ⅲ 福光麻布
 Ⅳ 立野脇のカヤ・ススキ利用法と、土壁資材としてのススキ
 Ⅴ 樹皮の利用
 Ⅵ ケヤキの良木育成と用材になるまで ―刀利谷・臼中を中心に―
 Ⅶ ガマ・スゲ・カラムシの利用法 ―刀利谷・立野脇・小二又を中心として―
 Ⅷ キワダ(キハダ)
 Ⅸ 山村の蔓性植物利用法 ―立野脇の場合―
 Ⅹ わが心の一冊『植物民俗』長澤 武著(法政大学出版局)
 Ⅺ 樹皮の民具との出会い
 Ⅻ 樹皮の加工と利用法
 ⅩⅢ 小矢部川上流域の植物と民俗

三章 生活を支えた民具
 Ⅰ コクボのナタヘゴ(鉈鞘)づくり
 Ⅱ 昭和三十年代 木を割る技術と民具 ―富山県南砺市刀利・立野脇を中心として―
 Ⅲ 城端莚の生産と集荷 ―旧福光町香城寺を中心に―
 Ⅳ 砺波市鷹栖の桶・樽職人 宮島良一
 Ⅴ 南砺地方の雪囲い、オーダレの生産と集荷 ―福光・井口地域を中心として―
 Ⅵ 山の運搬用民具、メッカイ ―刀利谷を中心として―
 Ⅶ 吉見バンドリ
 Ⅷ 勝木箸
 Ⅸ ネマリ機
 Ⅹ 散居村ミュージアム「民具館」の宮島良一展
 Ⅺ 向井國子さん手仕事をつなぐ
 
四章 山の生活
 Ⅰ 立野脇用水史
 Ⅱ 廃村した山村の地名 ―刀利の場合―
 Ⅲ マムシの民俗 ―刀利谷を中心として―
 Ⅳ 山境の決め方 ―立野脇・刀利の場合―
 Ⅴ 奥山の橋の作り方 ―下小屋の場合―
 Ⅵ 落とし紙以前
 Ⅶ 刀利の地籍図と山の幸
 Ⅷ 白峰村の食文化を味わう
  
五章 地の利を活かした食生活
 Ⅰ 南砺地方のかぶらずし
 Ⅱ 干柿
 Ⅲ どじょうのかば焼き
 Ⅳ 薬用やつめうなぎ
 Ⅴ 米菓(カキヤマ)
 Ⅵ 昆虫食 ―刀利谷・立野脇を中心に―
 Ⅶ 刀利谷で造られていた、ドブザケの製法
 Ⅷ 刀利村の行事食
 Ⅸ タテ(蓼)を食べる福光地方の食習
 Ⅹ 福光地方のヤクメシ(握り飯)
 Ⅺ アズキナ(ナンテンハギ)を食べる
 Ⅻ よごし・野菜の保存法

六章 村の年中行事
 Ⅰ 福光地域のネツオクリ ―昭和三十年代を中心として―
 Ⅱ 南砺市福光地方の「ちょんがれ」について
 Ⅲ 南砺市(福光)天神社のバンボツ石 ―力士 渡辺太兵衛―
 Ⅳ  カクセツ(会食)と特殊川漁 ―才川七石坂の場合―

七章 昭和初期の小矢部市西中
 Ⅰ 西中の馬耕
 Ⅱ 西中のヨータカ
 Ⅲ 終戦直後、カイニョ(屋敷林)の木から箪笥を作る

八章 その他
 Ⅰ 曽祖母のヒコ(曾孫)に生まれ
 Ⅱ 福光地方の糸挽き唄と、アカシモン ―曾祖母ゑすからの聞き書き―
 Ⅲ 明治期の戸籍記載 ―富山県砺波郡天神村の場合― …
 Ⅳ 土地を徴発された谷村正太郎さん
 Ⅴ ヤラナイと花の口上 ―砺波市坪野神社造営記念祭の場合―
 Ⅵ 出町の大火と真如院の高神様

おわりに

初出文献原題一覧

索引