リルを探してくれないか ー津村謙伝
入善町出身の津村謙(1923ー61)は、「上海帰りのリル」などのヒット曲によって、戦後の大スターとなった。富山育ちの物静かで心優しい少年が、類まれな美声と努力によって夢をつかみながらも、不慮の事故によって早世するまでの、夢と挫折の物語。
- 著 者:
- 齊藤大紀
- 定 価:
- ¥2400(税込:¥2640)
- 発行日:
- 2024.09.25
- ISBN:
- 978-4-86627-148-4
- 判 型:
- B5変判
- 頁 数:
- 326 頁
目次
はじめに ─「だんまり屋」の花形歌手
第一章 歌手への長い道(一) ─富山での少年時代
富山県下新川郡新屋村 /少年時代/父の美声と村の吹奏楽団/長崎秀夫/魚津への「長い道」/柳歳一先生/松原正と魚津中学校、柳歳一先生
第二章 歌手への長い道(二) ─上京と歌手デビューと戦争
松原家の上京 /鮫洲の機械技術員養成所と日立製作所亀戸工場/江口夜詩の弟子たちに見るスターへの道/国民音楽院と松原正/テイチクからのデビュー/軍隊生活
第三章 大国阿子 ─もうひとつの戦争、そして出会い
元松竹少女歌劇団「幹部」の大国阿子/松竹少女歌劇団のフィリピン慰問/中国大陸慰問と敗戦/並木路子と津村謙夫妻/松竹歌劇団退団/日劇の「ジャズカルメン」公演/古賀プロの四国公演
第四章 コロムビアからの再デビュー、キング移籍、そして結婚
コロムビアからの再デビューと「津村謙」の芸名/コロムビア時代の発売曲/キング移籍/柳川家への引っ越し/津村謙と大国阿子の結婚/小説と映画の『土曜夫人』/『土曜夫人』主題歌「まぼろしの妻」と高音の発見
第五章 「流れの旅路」から「上海帰りのリル」へ ─代演歌手から花形歌手へ
旅の一座の名もない花形/代演歌手・津村謙/それぞれの「流れの旅路」/戦後のヒロポン禍/津村謙とヒロポン/「流れの旅路」以降の津村謙/レパートリーを総合した「上海帰りのリル」/予想された飛躍/津村謙と「上海帰りのリル」の出会い
第六章 花形歌手・津村謙 ─昭和二七年九月七日「今週の明星」、映画出演
津村謙のNHK東京放送局(JOAK)出演/昭和二七年九月七日放送の「今週の明星」 /津村謙の映画出演
第七章 『紅椿』 ─ファンクラブ・津村謙の会機関誌
津村謙の会機関誌『紅椿』/『紅椿』の語るもの/ファンへの感謝 /あなたはいかにして津村謙のファンになったか/花形歌手に会う/ファンクラブ会員という同志(一)─まだ見ぬ友を友として/ファンクラブ会員という同志(二)─友と出会って/『紅椿』に見る津村謙のステージ/直立不動の津村謙/田園ソング「花散る峠」
第八章 戦後派おしどり夫婦として ─津村謙の「模範的男性」イメージ
リルと「模範的男性」/津村謙をめぐる物語/戦後派おしどりとしての津村・大国夫妻/「愛の合唱」と〝夫唱婦随〟/『明日は日曜日』/「あなたと共に」
第九章 おしどり夫婦の選択 ─大国阿子の歌手引退と二人の娘
富田英三「おしどり御夫婦漫画訪問記 九五点の円満さ! 津村謙さん大国阿子さんの巻」/花形歌手の家訪問/「おしどりレコード歌手 津村謙さんの家庭座談会」/「あなた」と「正」、「パパちゃん」と「正」/娘二人の父
第一〇章 花形歌手の趣味 ─カメラ、自動車、スポーツ、麻雀、そして食卓
津村謙の趣味(一)カメラ/津村謙の趣味(二)自動車/津村謙の趣味(三)スポーツ/津村謙の趣味(四)麻雀/花形歌手の食卓
第一一章 新屋の〝あんま〟の歌 ─津村謙と故郷
津村謙の富山公演/母・松原てる/魚津高校と津村謙/入善町の「上海帰りのリル」歌碑建立/津村謙ふるさと歌謡大会/富山における津村謙のその後/あいの風とやま鉄道
第一二章 「ビロードの唄声」伝説と「オーソドックス」な歌手
「ビロードの唄声」の誕生 /「ビロードの唄声」伝説の成立と伝播/昭和三一年の世代交代「オーソドックスな歌」とロカビリー/昭和二〇年代後半からの民謡ブーム/低音の魅力/新しい試み─月夜の笛、青春の街、霧雨のけむる道 /津村謙の望郷歌謡/昭和三二年九月一二日放送の「黄金の椅子」/ふたたび「ビロードの唄声」と「オーソドックス」な歌
第一三章 津村謙と共に行きましょう ─津村謙の会の挑戦と挫折
ベテラン歌手・津村謙の魅力/転機となる会員アンケート/エロ歌謡曲氾濫の中の津村謙/『小説サロン』の「花形十大歌手人気投票」/イラつくファン/レコードが買えない/「ぼくは、やはり歌謡曲の正調派で通したいよ」
第一四章 昭和三六年一一月二八日未明 ─不慮の死
座布団を抱えた津村謙/もしも歌手を引退したら/昭和三六年一一月二七日/自殺と事故死/なぜ車中泊をしたのか/それぞれの悲しみ/大国阿子/松原てる/名歌手・津村謙
おわりに ─「セントポールに灯りともる頃」
参考文献
第一章 歌手への長い道(一) ─富山での少年時代
富山県下新川郡新屋村 /少年時代/父の美声と村の吹奏楽団/長崎秀夫/魚津への「長い道」/柳歳一先生/松原正と魚津中学校、柳歳一先生
第二章 歌手への長い道(二) ─上京と歌手デビューと戦争
松原家の上京 /鮫洲の機械技術員養成所と日立製作所亀戸工場/江口夜詩の弟子たちに見るスターへの道/国民音楽院と松原正/テイチクからのデビュー/軍隊生活
第三章 大国阿子 ─もうひとつの戦争、そして出会い
元松竹少女歌劇団「幹部」の大国阿子/松竹少女歌劇団のフィリピン慰問/中国大陸慰問と敗戦/並木路子と津村謙夫妻/松竹歌劇団退団/日劇の「ジャズカルメン」公演/古賀プロの四国公演
第四章 コロムビアからの再デビュー、キング移籍、そして結婚
コロムビアからの再デビューと「津村謙」の芸名/コロムビア時代の発売曲/キング移籍/柳川家への引っ越し/津村謙と大国阿子の結婚/小説と映画の『土曜夫人』/『土曜夫人』主題歌「まぼろしの妻」と高音の発見
第五章 「流れの旅路」から「上海帰りのリル」へ ─代演歌手から花形歌手へ
旅の一座の名もない花形/代演歌手・津村謙/それぞれの「流れの旅路」/戦後のヒロポン禍/津村謙とヒロポン/「流れの旅路」以降の津村謙/レパートリーを総合した「上海帰りのリル」/予想された飛躍/津村謙と「上海帰りのリル」の出会い
第六章 花形歌手・津村謙 ─昭和二七年九月七日「今週の明星」、映画出演
津村謙のNHK東京放送局(JOAK)出演/昭和二七年九月七日放送の「今週の明星」 /津村謙の映画出演
第七章 『紅椿』 ─ファンクラブ・津村謙の会機関誌
津村謙の会機関誌『紅椿』/『紅椿』の語るもの/ファンへの感謝 /あなたはいかにして津村謙のファンになったか/花形歌手に会う/ファンクラブ会員という同志(一)─まだ見ぬ友を友として/ファンクラブ会員という同志(二)─友と出会って/『紅椿』に見る津村謙のステージ/直立不動の津村謙/田園ソング「花散る峠」
第八章 戦後派おしどり夫婦として ─津村謙の「模範的男性」イメージ
リルと「模範的男性」/津村謙をめぐる物語/戦後派おしどりとしての津村・大国夫妻/「愛の合唱」と〝夫唱婦随〟/『明日は日曜日』/「あなたと共に」
第九章 おしどり夫婦の選択 ─大国阿子の歌手引退と二人の娘
富田英三「おしどり御夫婦漫画訪問記 九五点の円満さ! 津村謙さん大国阿子さんの巻」/花形歌手の家訪問/「おしどりレコード歌手 津村謙さんの家庭座談会」/「あなた」と「正」、「パパちゃん」と「正」/娘二人の父
第一〇章 花形歌手の趣味 ─カメラ、自動車、スポーツ、麻雀、そして食卓
津村謙の趣味(一)カメラ/津村謙の趣味(二)自動車/津村謙の趣味(三)スポーツ/津村謙の趣味(四)麻雀/花形歌手の食卓
第一一章 新屋の〝あんま〟の歌 ─津村謙と故郷
津村謙の富山公演/母・松原てる/魚津高校と津村謙/入善町の「上海帰りのリル」歌碑建立/津村謙ふるさと歌謡大会/富山における津村謙のその後/あいの風とやま鉄道
第一二章 「ビロードの唄声」伝説と「オーソドックス」な歌手
「ビロードの唄声」の誕生 /「ビロードの唄声」伝説の成立と伝播/昭和三一年の世代交代「オーソドックスな歌」とロカビリー/昭和二〇年代後半からの民謡ブーム/低音の魅力/新しい試み─月夜の笛、青春の街、霧雨のけむる道 /津村謙の望郷歌謡/昭和三二年九月一二日放送の「黄金の椅子」/ふたたび「ビロードの唄声」と「オーソドックス」な歌
第一三章 津村謙と共に行きましょう ─津村謙の会の挑戦と挫折
ベテラン歌手・津村謙の魅力/転機となる会員アンケート/エロ歌謡曲氾濫の中の津村謙/『小説サロン』の「花形十大歌手人気投票」/イラつくファン/レコードが買えない/「ぼくは、やはり歌謡曲の正調派で通したいよ」
第一四章 昭和三六年一一月二八日未明 ─不慮の死
座布団を抱えた津村謙/もしも歌手を引退したら/昭和三六年一一月二七日/自殺と事故死/なぜ車中泊をしたのか/それぞれの悲しみ/大国阿子/松原てる/名歌手・津村謙
おわりに ─「セントポールに灯りともる頃」
参考文献