黒三ダムと朝鮮人労働者
—高熱隧道の向こうへ
前作『黒部・底方の声—朝鮮人労働者と黒三ダム』(1992年刊)が2023年に韓国語翻訳される。その続編として黒三ダムと朝鮮人の現在を記す。
過去を変えることはできないが、二つの国の未来は変えられる?!——昨今の日韓関係のなかで、見つめ直す歴史と今。この本は、平和を願う人々の希望によって生まれた。
- 著 者:
- 堀江節子
- 定 価:
- ¥2000(税込:¥2200)
- 発行日:
- 2023.07.15
- ISBN:
- 978-4-86627-136-1
- 判 型:
- A5
- 頁 数:
- 232 頁
目次
はじめに
目次
第一章 黒部川電源開発と朝鮮人 好き好んできたのか
1 底方からの問いかけ
黒部川電源開発/電源開発の歴史/日本の近代化と朝鮮時労働者/「黒二」建設と自然保護/多発する事故
2「黒三」着工
三工区を三社に分離発注/人命よりも工事の進捗/事故はどこで・どのように起きたか
3志合谷ホウ雪崩事故
冬営が起こす雪崩事故/御救恤金下賜で工事続行/金鍾旭さんの墓参
4 高熱隧道
ダイナマイト事故では責任を問われない/ダイナマイトの自然発火対策/高温の坑内作業/命の代償/朝鮮人労働者の人数/「黒三」は戦争の申し子/帰国に際して
5 犠牲者の追悼と慰霊
呂野用墓/萬霊の塔/死を悼む心
第二章 在日朝鮮人労働と金泰景 もの言わぬ奴隷としてではなく
1「韓国」植民地化と労働者の渡航
植民地戦争と韓国併合/朝鮮人労働者の渡航/朝鮮人強制動員/水電労働者の生活/差別はあった
2 富山における在日朝鮮人労働
在日朝鮮人労働運動/相愛会富山市部、富山白衣労働信友会などの活動/弾圧化での労働運動/金泰燁と内鮮融和運動
3 内鮮労働親愛会そして協和会
富山内鮮労働親愛会/戦争協力と協和会
4 黒部の朝鮮人親分・金泰景
金泰景、高熱隧道掘削を引き受ける/金泰景さんの家族/ふたりの金さん/金田組設立
5 佐藤組の海外事業
朝鮮進出/佐藤組と朝鮮人飯場/隧道工事の特殊技能集団として
6 解放後、済州島へ
金田組の戦後/金泰景さん故郷へ
7 済州島の金泰景
金泰景さんの消息を追って/なぜ済州島での調査が必要か/二〇二三年四月済州島調査/家族の物語/墓前にて/済州四・三平和公園にて/済州島調査で考えたこと
第三章 遺族たちの「黒三」 父の墓は黒部の谷
1 朝鮮人の足跡を残したい
孫秀栄さんのこと
2 父の墓は黒部の谷
金鍾旭さん
3 韓国への旅
旧植民地へ/墓参/金鍾旭さんの家族
4 志合谷ホウ雪崩事故の遺族を訪ねて
天皇からの御下賜金/遺族への手紙/よみがえる怒り/恨を晴らしたい
5 祖父は志合谷で亡くなった
中村さんからの手紙/再び志合谷へ/家族の肖像/八〇年後の墓参/恩師との邂逅
第四章 上書きされる加害の歴史 小説『高熱隧道』めぐって
1 消えた朝鮮人労働者
吉村昭の記録文学/町史にも不記載
2 和田城志『剱沢幻視行』
手紙/登山ブームと健民運動/アルピニストと朝鮮人労働者/歴史から消える朝鮮人/朝鮮人労働者という影の存在/ホウ雪崩研究者の困惑
3 黒部ゴルト
風間サチコ展「コンクリート組曲」/「黙殺」された朝鮮人労働者/版木から削り取る着想
4 川の吐息 海のため息
黒部川のヘドロ/朝鮮人労働者と歴史修正主義
あとがき
資料
目次
第一章 黒部川電源開発と朝鮮人 好き好んできたのか
1 底方からの問いかけ
黒部川電源開発/電源開発の歴史/日本の近代化と朝鮮時労働者/「黒二」建設と自然保護/多発する事故
2「黒三」着工
三工区を三社に分離発注/人命よりも工事の進捗/事故はどこで・どのように起きたか
3志合谷ホウ雪崩事故
冬営が起こす雪崩事故/御救恤金下賜で工事続行/金鍾旭さんの墓参
4 高熱隧道
ダイナマイト事故では責任を問われない/ダイナマイトの自然発火対策/高温の坑内作業/命の代償/朝鮮人労働者の人数/「黒三」は戦争の申し子/帰国に際して
5 犠牲者の追悼と慰霊
呂野用墓/萬霊の塔/死を悼む心
第二章 在日朝鮮人労働と金泰景 もの言わぬ奴隷としてではなく
1「韓国」植民地化と労働者の渡航
植民地戦争と韓国併合/朝鮮人労働者の渡航/朝鮮人強制動員/水電労働者の生活/差別はあった
2 富山における在日朝鮮人労働
在日朝鮮人労働運動/相愛会富山市部、富山白衣労働信友会などの活動/弾圧化での労働運動/金泰燁と内鮮融和運動
3 内鮮労働親愛会そして協和会
富山内鮮労働親愛会/戦争協力と協和会
4 黒部の朝鮮人親分・金泰景
金泰景、高熱隧道掘削を引き受ける/金泰景さんの家族/ふたりの金さん/金田組設立
5 佐藤組の海外事業
朝鮮進出/佐藤組と朝鮮人飯場/隧道工事の特殊技能集団として
6 解放後、済州島へ
金田組の戦後/金泰景さん故郷へ
7 済州島の金泰景
金泰景さんの消息を追って/なぜ済州島での調査が必要か/二〇二三年四月済州島調査/家族の物語/墓前にて/済州四・三平和公園にて/済州島調査で考えたこと
第三章 遺族たちの「黒三」 父の墓は黒部の谷
1 朝鮮人の足跡を残したい
孫秀栄さんのこと
2 父の墓は黒部の谷
金鍾旭さん
3 韓国への旅
旧植民地へ/墓参/金鍾旭さんの家族
4 志合谷ホウ雪崩事故の遺族を訪ねて
天皇からの御下賜金/遺族への手紙/よみがえる怒り/恨を晴らしたい
5 祖父は志合谷で亡くなった
中村さんからの手紙/再び志合谷へ/家族の肖像/八〇年後の墓参/恩師との邂逅
第四章 上書きされる加害の歴史 小説『高熱隧道』めぐって
1 消えた朝鮮人労働者
吉村昭の記録文学/町史にも不記載
2 和田城志『剱沢幻視行』
手紙/登山ブームと健民運動/アルピニストと朝鮮人労働者/歴史から消える朝鮮人/朝鮮人労働者という影の存在/ホウ雪崩研究者の困惑
3 黒部ゴルト
風間サチコ展「コンクリート組曲」/「黙殺」された朝鮮人労働者/版木から削り取る着想
4 川の吐息 海のため息
黒部川のヘドロ/朝鮮人労働者と歴史修正主義
あとがき
資料