富山の出版社 本づくりなら 桂書房

富山の小さな出版社「桂書房」。富山での自費出版、本づくりならお任せください。

加賀百万石御仕立村始末記

「御仕立村」とは飢饉等で立ち行かなくなった村を再建するための加賀藩の善政ともいえる政策のことである。かつて砺波郡広瀬舘村の肝煎だった湯浅家に、広瀬館村が天保の飢饉で立ち行かなくなった際、加賀藩が広瀬舘村を救済するためとった政策の一部始終の書類が残されていた。著者はこの資料を7年間かけて解析し、あわせて鎌倉時代から近代までの広瀬館村の歴史を明らかにした。

著 者:
一前悦郎 湯浅直之
定 価:
¥2000(税込:¥2200)
発行日:
2023.05.27
ISBN:
978-4-86627-133-0
判 型:
A5
頁 数:
241 頁
この書籍に関するお問い合わせ

お問い合わせ・ご意見・ご感想は専用フォームよりお送りください。

目次

はじめに

第1章 御仕立村の謎
 湯浅権右衛門/極貧村御仕立仕法/御仕立資金/屎代銀
 極貧村御仕立方願聞届帳/羽咋郡町屋村/御仕立金割當一件記

第2章 荘園と地頭 〜平安・鎌倉時代〜
 広瀬舘村とは/荘園の始まりと円宗寺領石黒荘
 石黒太郎光弘と藤原定直/地頭藤原氏/職の体系/百姓と名田
 弘瀬郷の耕作面積/弘瀬郷の百姓数/倉庫・市庭・庄家
 弘長二年関東下知状/検注/地頭の年貢未進/弘瀬郷の年貢
 地頭請所/柿谷寺・千手堂の争奪戦

第3章 南北朝争乱 〜室町時代前期〜
 旧秩序の崩壊と国人の台頭/広瀬信定/為政者たちの抗争
 桃井直常/斯波高経・義将/石黒一族の同士討ち
 斯波氏から畠山氏へ/守護領国制/院林了法と日野資康
 綽如の瑞泉寺建立/弘瀬郷の国人代官変遷記/国人二宮氏
 荘園の解体/綽如の足跡

第4章 一向一揆 〜室町時代中期〜
 一向宗/本泉寺〜如乗と勝如尼〜/蓮如上人の北陸下向
 戦い前夜①〜百姓たち〜/戦い前夜②〜加賀の内乱〜
 戦い前夜③〜真宗寺坊〜/戦い前夜④〜瑞泉寺周辺〜
 文明13年越中一向一揆〜田屋川原の合戦〜
 石黒氏と医王山惣海寺の衰退/蓮真と善徳寺
 蓮如の思い/長享の一向一揆/百姓ノ持チタル国

第5章 戦国の争乱 〜室町時代後期〜
 加賀と越中の違い/永正3年北陸一揆/長尾為景の越中入り
 享禄の錯乱(大小一揆)/教団の在地支配/寺社本所領返還令
 証如の「天文日記」/惣領石黒又次郎光直/石黒宗五郎と光秀
 越中惣国/残った石黒一族/戦国大名・顕如と謙信
 木舟石黒氏の最期/信長軍の攻勢〜本願寺・勝興寺・瑞泉寺炎上〜
 河上衆と石山合戦/成政と秀吉・利家/一職支配権
 その後の瑞泉寺・教如・成政

第6章 改作法 〜江戸時代前期〜
 前田氏と徳川氏/加賀百万石と検地/草高
 江戸時代初期の広瀬舘村/侍の俸禄〜知行とは何か〜
 地方知行制の崩壊/改作法/村御印/福光村の悲劇
 利常の論理〜四公六民〜/御算用者のソロバン術
 広瀬舘村の年貢皆済状/在郷町/人口増える/綱紀の切高仕法
 下百姓と頭振/持高構造の変化

第7章 苦闘の藩財政 〜江戸時代中・後期〜
 藩収入は25万石/村鑑帳/広瀬舘村の人口、262人
 年貢の内訳/歩荷と糸・布/村万雑
 宝暦期の持高帳〜親作・小作、懸作〜/銀札・借知・御用金
 懸作問題は続く/十村断獄/天保の大飢饉/備荒倉/隠田発覚
 文政・天保期の持高帳
 飢饉は続く、「半知」の断行/奥村栄実の天保の改革
 やっと懸作対策/赤字13万5千石

第8章 御仕立金の行方 〜幕末・明治時代初期〜
 広瀬舘村の御仕立金/羽咋郡東野村/黒羽織党の改革/得能覚兵衛
 御仕立金はなぜ残ったか/米から円へ/御仕立金を運用
 御仕立金を分配/最後の持高帳
 封建時代の終焉〜新円が消し去った巨大な債務〜

あとがき

関連書籍