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越中史の探求

「古代」蚕の真綿が400年も越中特産だったこと、中世飢餓により「立山」地獄が焦点化された様子、「富山近代化」国への建白のほとんどが20代青年であったなど、山野河海に恵まれた越中史の異彩部を発掘する新稿を含む12論文。

著 者:
城岡朋洋
定 価:
¥2400(税込:¥2640)
発行日:
2023.05.31
ISBN:
978-4-86627-134-7
判 型:
A5
頁 数:
310 頁
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目次

 口絵

 序

第Ⅰ部 古代の越中
 一 大伴家持と越中の自然風土―雪と山野河海―
  1.越中の雪
  2.越中の山野河海と産物・資源
 二 越中国の御贄
  1.『延喜式』にみえる御贄
  2.「山野河海の国」越中を象徴する特産物
 三 古代越中人の生業
  はじめに
  1.万葉歌にみえる越中人の生業
  2.税物からみえる越中人の生業
  3.『延喜式』からみえる越中人の生業
  4.「真綿の国」四〇〇年
  おわりに
 四 征夷と越中国
  はじめに
  1.和銅二年の征夷と越中国
  2.陸奥・出羽間の連絡路開設
  3.三十八年戦争と越中国
  おわりに―征夷の終焉と日本海―

第Ⅱ部 立山と越中
 一 中世の飢饉と立山信仰
  はじめに
  1.寛正大飢饉と死者
  2.亡者の行き先としての立山地獄と追善供養
  3.仙洞御所で演じられた猿楽能「善知鳥」
  4.十五世紀後半における立山信仰の動向
  おわりに
 二 冷泉為広の〈タテ山ミユ〉
  はじめに
  1.どこから立山を遠望したのか
  2.立山の読みと変化
  3.名所としての立山 修験の山としての立山
  おわりに
 付論 守り伝えられた立山古文書
  はじめに
  1.地元での厳重な文書取り扱い
  2.企業メセナと『越中立山古文書』の刊行
  おわりに―古文書を守り伝えるために―

第Ⅲ部 富山近代化と越中
 一 民権前夜の越中青年―新川県から提出された建白書―
  はじめに
  1.建白書を提出した越中青年
  2.建白の道
  3.建白書の内容をめぐって
  おわりに
 二 富山廃県の危機
  はじめに
  1.「府県廃置法律案」の浮上
  2.廃県反対運動とその結末
  おわりに―廃県反対運動の歴史的意義―
 三 越中七大河川と鉄道架橋
  はじめに
  1.中越鉄道と小矢部川架橋
  2.北陸線の七大河川架橋
  3.富山電気鉄道の常願寺川架橋 飛越線の神通川架橋
  おわりに―河川の富山近代化―
 四 「時の記念日」の誕生と工業立県
  はじめに―時計をもたない世界
  1.大正新時代の要請
  2.国民運動としての時間励行
  3.時の記念日の誕生と富山県
  4.工業立県と「工場の時間」
  おわりに
 五 「越中史」の発見
  はじめに
  1.越中史への眼差し
  2.郷土教育運動と越中史
  3.観光富山と越中史
  4.富山近代史の登場
  おわりに

 結語―越中史との対話

 索引