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蟹工船の記憶 -富山と北海道-

大正6(1971)年、世界初の海水使用カニ缶を製造した富山水講初代練習船・高志丸。

乗組員であった大叔父の日記をきっかけに次々と知る、富山と北海道の繋がり。海を渡った人々の生きた痕跡を辿り、行き着いた先とは。

労働問題としても象徴される蟹工船に旅情的視点から向き合い、過去と現在が結んだ縁の行方を旅する新しい一冊。

著 者:
橋本 哲
定 価:
¥2400(税込:¥2640)
発行日:
2022.05.10
ISBN:
978-4-86627-113-2
判 型:
B5変
頁 数:
237 頁
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目次

はじめに 若き大叔父との出会い 1


一章 高志丸、その生涯 9
 一節 工船カニ漁業の先駆は? 10
 二節 初代練習船高志丸の建造 14
 三節 高志丸北洋航海の航跡 21
 四節 六月気温一度。八時になっても暗くならない 27
 五節 高志丸のその後 37
  ㈠ 廃船の謎 37  
  ㈡ アンカーの謎 39  
  ㈢ 払い下げ先の謎 41
 六節 高志丸の最期と二代目呉羽丸の建造 46  
  ㈠ 高志丸の最期についての謎 46   
  ㈡ 呉羽丸建造の経緯 47  
  ㈢ 蟹工船は石川発ではない 50


二章 カニ缶詰 51
 一節 缶詰、人類が生存する限り 52
 二節 缶詰工場 59
 三節 タラバガニと缶詰 62
 四節 カニ工船と戦後の労働体験談 70
  ㈠ 一村哲夫氏 70  
  ㈡ 内山勇氏 78


三章 〝越中もんの歩いた後にわら屑も残らん〟 80
 一節 北の新天地へ 81
  ㈠ 北方領土水晶島の昆布 81   
  ㈡ 〝越中衆が八割〟羅臼の町と生地衆 87
  ㈢ 利尻島にも〝新湊〟が? 91   
  ㈣ 石狩沼田を拓いた喜三郎ら 93
 二節 函館と小樽 100
  ㈠ 伏木の港町に軒を連ねた移民宿 100  
  ㈡ 函館の街と北洋漁業 103   
  ㈢ 越中宮崎から函館山の海崖に 111   
  ㈣ 小樽の街と北海製缶 119   
  ㈤ 袴信一郎ら根室・千島の越中者 129
  ㈥ 小樽の越中屋 134
  ㈦ 富山からも占守島守備隊に 137

四章 ♪北緯五〇度、カムチャツカ沖だぁ 140
 一節 北太平洋の霧、二つの光景 141
 二節 パラムシル島とシュムシュ島、眼前にカムチャツカ 149
 三節 榿松の島と報效義会 179
  ㈠『千島探儉録』に見る占守島のこと 179
  ㈡『千島探検録』に登場、土岐某師 183
  ㈢ ブランコに乗って怒鳴られた生徒は 186


五章 小林多喜二作『蟹工船』考 188
 一節 富山工船エトロフ丸事件 189
 二節 小説『蟹工船』について 194
 

六章 村の灯篭と、越中人の渡道者異聞 205
 一節 故郷に灯篭を寄進 206
 二節 もう一対の灯篭 208
  ㈠ 旭川区南日恒次郎、弥三次 208  
  ㈡ 恒次郎の移住地は? 211   
  ㈢ 電話 213  
  ㈣ Eメール 215   
  ㈤『人名録』の旭川区在住者 215   
  ㈥ 寄り合うて 218  
  ㈦ 手紙「あと何年かしたら」 219   
  ㈧ 越中人の渡道者、異聞 221


おわりに 232


協力・教示を頂いた方 235


参考文献 236