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人文知のカレイドスコープ 富山大学人文学部叢書Ⅱ

 富山大学人文学部は、教員が専門領域を超えた研究交流と学部全体の研究向上を図るため、またその成果を学生教育の充実と地域貢献の促進に役立てるために、「富山循環型人文知研究プロジェクト」を立ち上げた。

 本書は、その一環として開催した2018年度公開研究会「『人文知』コレギウム」の成果である。

 書名の『人文知のカレイドスコープ』は、歴史、哲学、文学、言語学、地理学、社会学などの多様な研究分野の教員が、これまでの成果、或いは新たな知見で多角的に「人」の有り様に迫る意を表している。カレイドスコープ(万華鏡)さながらに、豊かな人文学の世界を知る一助となれば幸いである。

著 者:
富山大学人文学部編
定 価:
¥1500(税込:¥1620)
発行日:
2019.3.29
ISBN:
978-4-86627-059-3
判 型:
A5
頁 数:
130 頁
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目次

巻頭言

第1章 東西の思想、宗教、歴史

「連続体の迷宮」とは何か
――ライプニッツとパースが挑んだ哲学最大の難問――  池田真治  2

フランス右翼ナショナリズムの論理構造
――シャルル・モラスが設定した二つの「敵」――  南 祐三  14

ロシア人の伝統的死生観
――玉川大学教育博物館所蔵イコン「最後の審判」を読み解く――
中澤敦夫  25


第2章 文学の普遍性

宇治十帖前半とアンドレ・ジッド『狭き門』  田村俊介  40


第3章 社会の多様性

ルールとは何か  佐藤 裕  52

韓国のLGBTコミュニティをとりまく現状
――プライド・イベントの現場から見えてくるもの――  林 夏生  62

アメリカにおける福祉政策と市民の境界線
――生殖をめぐるポリティクス――  小野直子  79


第4章 地域の社会とことば

こどもの生活空間とまちづくり
――楽しく失敗できるまちに向けて――  大西宏治  92

音声面での「〇〇語(方言)らしさ」の定義は可能か
――東濃西部方言の実例をもとに――  安藤智子 102


附:2018年度 公開研究会「『人文知』コレギウム」発表題目一覧
  ※「コレギウム」とは、ラテン語で「仲間たち」の意である。

第7回
2018.4.18
―文学研究の最前線 外なる眼・内なる眼―

「『古事記』と「八雲」」
ヨーロッパ言語文化コース 中島淑恵

「芥川龍之介、自殺前の苦悩とは」
東アジア言語文化コース 小谷瑛輔


第8回
2018.6.20
―迷宮のなかに秩序と規範を求めて―

「「連続体の迷宮」とは何か─ライブニッツとパースが挑んだ哲学最大の難問─」
哲学・人間学コース 池田真治

「ルールとは何か─行為規範の規範性を、論理的強制力として描き出す─」
社会文化コース 佐藤裕


第9回
2018.9.5
―フランスと日本:それぞれの過去から学ぶこと―

「フランス右翼ナショナリズムの論理構造─ Ch・モラスが設定したふたつの「敵」─」
歴史文化コース 南祐三

「宇治十帖前半とアンドレ・ジッド『狭き門』」
東アジア言語文化コース 田村俊介


第10 回
2018.10.24
―中澤敦夫教授ドミートリィ・リハチョフ賞受賞記念講演―

「文献と図像から読み解く、ロシア人の伝統的『あの世』観」
ロシア言語文化コース 中澤敦夫


第11 回
2018.12.5
―人と人、人と社会―

「韓国のLGBT コミュニティをとりまく現状─プライド・イベントの現場から見えてくるもの─」
社会文化コース 林夏生

「アメリカにおける福祉政策と市民の境界線─生殖をめぐるポリティクス─」
国際文化論コース 小野直子


第12 回
2019.1.30
―地域で育む、地域を育む―

「子どもの生活空間とまちづくり─楽しく失敗できるまちに向けて─」
社会文化コース 大西宏治

「○○語らしさ」の音声学」
言語学コース 安藤智子

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