新兵の入営(その2)
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富山城二ノ丸から富山大橋。
かつての新大橋、別称「連隊橋」に向かう通りを当時は兵営道路と呼びました。
連隊橋の手前には茶屋があり、上新川郡長が入営者に寄贈品を渡していました。
神通川に架かるこの橋を渡ると婦負郡です。
今の富山大学は当時の陸軍69連隊の営舎。
人々や旗の列は練兵場を横切って裏門に続いていました。
当時の新兵は北側の表門ではなく、南側の裏門から入営したようです。
兵舎は周囲を土塁で囲んでありました。
添付写真をごらん下さい。
裏門の土塀の上には曹長が立ち、見送り人と新兵をより分けていた。
記事には
「入営者の嫁さんらしいマンテルの下から友仙腰巻を見せた十八九の女が曹長の後から高い土塀に駆け登ろうとする」と緻密な描写。
どうもこの女性は入営者の妻らしい。
そうだよね。
旦那様とはもう二度と会えないかも。
記者が表門に廻るとここでは人々は挨拶を交わし
『兄さまが無事で入営されましておめでとうございます』
『息子は喜んで夕べは一目も寝ませなんだ』
と自慢話が聞こえたとか。