鼬川を歩く
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明治43年、東京から作家の小西可東が訪れて鼬川を描写している。
その一部を紹介しよう。
可東が桜橋から鼬川の花見橋あたりを訪れた時のこと。
「土蔵の並びには欄干のついた離れらしい座敷が川の上に這い出している。
私は何人がこんな座敷に住むのかと思っていると、
最も手近の最も綺麗な座敷の障子がすうと開いたので、私は息をひそめた。
果然!障子の間から花愧しい一人の美形が現れたのである。」
可東がこの情景を目撃したのは、
枝垂れ柳が生える鼬川の左岸からで、
当時右岸には八清楼(現在のスーパー大阪屋)があった。
左岸には鼬川から水を引いて
「カッチャ」の水車がギィギィと音をあげて廻っていた。
両岸には白壁の土蔵が立ち並び
鼬川には両岸に洗い物をする女性がおり、
16羽ものアヒルが水車に群れていた。
この紀行文読み返し
「鼬川の記憶」を今一度
を旅情的に纏めたいものだと思った。