安王丸
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天保8年、富山城内から古碑が発掘された。
この古碑には中央に『安王丸』右上に宝■元年と記しその左に3月18日と記してある。
この安王丸とは室町時代、鎌倉公方・足利持氏の子で
持氏は幕府と争い吉元(1442)年4月16日に結城城は落城。
兄春王丸とともに安王丸も捕らえられ、京都へ護送される途中、垂井の金蓮寺で斬首されたとされる。
安王丸11歳。墓は垂井の金蓮寺にあるという。
富山前田藩作事奉行・高沢昌忠はこの古碑を考証し、
宝■元年は宝徳元年(1449)であり足利氏由来の墓石であるとして
藩主の許可を得て大法寺に発掘の由来を記した笠石台石を設えて大法寺墓所に安置した。
後に石造物の研究家、京田良志氏がこの墓石を鑑定し、時代は更に遡り年号は貞和2年(1346)であるとした。
今年に入って富山城三ノ丸が発掘され来年も更に発掘が継続されるという。
富山は先の大戦で全壊し多くの史料も失われたが少しずつ歴史が見えてきている。
添付した写真は戦災で焼ける前の大法寺参道の景観である。