福光麻布
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富山県南砺市の旧福光町は「福光麻布(あさぬの)」の産地でした。
昭和天皇の大喪の礼には福光麻布が調達されました。
しかし、これを最後として現在では廃業となり調達できません。
そこで桂書房では「福光麻布」製造工程を記録保存するプロジェクトを立上げ、来年をめどに『麻布手仕事図鑑』発刊を目指し編集に取り掛かりました。
福光麻布は「いざり機(はた)」で織られる全国でも珍しい製法でしたが、廃業とともにその製法も失われました。
幸い、いざり機は一台残っていますが、製造工程を復元するのは極めて難しいのです。
それは福光麻布は農家の副業で、かつ分業体制で行われていたので廃業とともにすべてが失われたのです。
福光麻布の起源は、平安遷都の延暦13年〈794)勅命による御霊場建立のため進物用として織られたとされます。
将来、復活される場合、その基本資料として制作できればと思っています。