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新刊案内「散居村の記憶」

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7月には「散居村の記憶」を出版予定です。

富山県の砺波平野の散村風景を散居村と呼びます。

この散居村の風景は、散居村展望台から眺めると田園の中に民家がバラバラに点在しています。

この散居村が分布するのは庄川と小矢部川に囲まれた砺波市から南砺市にかけてです。

今は少し減りましたが、散居村の農家の周囲を「カイニョ」と呼ばれる屋敷林が取いて冬の風雪や夏の日差しから屋敷を守っています。

カイニョ

アズマタチを建てる材木もこのカイニョから切り出しました。

そして散居村の風景に欠かせない独特の建物があります。

それは、切妻造りで白壁にこげ茶色に塗られた梁や貫が美しい住宅で 大きな瓦屋根の正面の切妻を東に向け、束・貫・梁を格子に組み、その間を白壁で塗っています。

この砺波平野の象徴的ともいえる住宅を「アズマダチ」と呼んでいます。

アズマダチ

更に、砺波の民家の伝統的な構造として「ワクノウチ」と呼ばれる梁構造があります。

この構造は中央にウシバリという太い梁を渡します。

そしてこの上にハリマモンという縦梁を直交させて架けます。

柱と柱には漆を塗ったヒラモンと呼ばれる鴨居を通します。

ワクノウチ

このような家を建てる事は砺波の男の夢であったのです。